拳で抵抗する21歳

世間に、拳で抵抗したい。そんな21歳の夏。書評や投資、思いついた事を綴ります。

MENU

フェルマーの最終定理(サイモン・シン)の感想①

f:id:harald1030:20200501231629j:plain


フェルマーの最終定理サイモン・シン)の感想①

 

どうも就活生です。

今回も就活とは関係ないですが、最近読んでいる本があるのでそれに関する記事を書きたいと思います。

 

 

 

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理をご存じでしょうか?この問題は、小学生でも理解できる簡単な以下の式から生まれました。

↑いわゆる、三平方の定理ピタゴラスの定理)というやつです。この定理のnの部分(指数部分)を3,4,5,...と一般化したものがどうも成り立たないらしく、それは本当か?というのが、フェルマーの最終定理です。

xn+yn=zn (n=3,4,5,...)

一見とても簡単なこの式↑は、3世紀もの間、世界の天才数学者たちを退けてきた過去があり、1995年にイギリスの数学者アンドリュー・ワイルズによって証明されました。その軌跡を記したのが、フェルマーの最終定理サイモン・シン著)です。

 

 

フェルマーの最終定理(新潮文庫)

フェルマーの最終定理(新潮文庫)

 

 

 

数学の魅力

私の数学との出会い

私が数学に興味を持ったのは、お勉強という名の受験を終えた後の事でした。元々、深い理由はありませんが生物が好きで、小学生の頃は、よく図書室でドラえもんの恐竜の本や、人体の仕組みに関する本を読んでいました。また、高校では受験に必要だった化学に注力したおかげで、化学に興味を持ち、その後、言葉の響きがかっこいいという理由で物理に興味が移りました。そして、現在科学の言葉である数学に興味を持ちました。大学では、そこまで深く数学を学んでいるわけではないですが、大学の初等レベルの数学を幅広く勉強しました。(だいぶ忘れてるけど、、)

私の数学に対する見方が変わったのは、大学2年の時に受けた代数学の授業でした。その授業は、自然数から複素数まで、数の体系が拡張されていく過程を証明していく授業でした。印象的だったのは、「数が発見される」という概念でした。この概念は、計算の壁にぶち当たるたびに、新たな概念を導入する事を指します。この新しく概念を作るというのは、今まで単に数学を公式を用いて問題を解く道具だと思っていた私にとってすごく斬新でクリエイティブな考えでした。

数学の証明

この本では、数学の証明がいかに完璧な理論であるかを取り上げていました。数学の証明は、絶対に正しい事が保障されている事(公理)から出発し、論理を積み重ねていくことで、新たな定理を作るという手順で行われます。そして、一度証明されてしまえば、以降絶対に否定される事はありません。つまり、真理にたどり着く事が出来ます。これに対して、ほかの自然科学は、人間の知覚や、実験の誤差を孕んでいるため、すべては近似でしかありません。私はこの説明を見たときに初めて、数学が美しいといわれる理由を少し理解することが出来ました。

 

数学史

この本の最大の魅力は、数学の問題を取り巻く人間の葛藤を描いたドラマです。数学と聞くと、血の通っていない無機質なイメージを持たれる人が多いと思います。私もこの本を読むまではそうでした。しかし、この本では、フェルマーの最終定理に取りつかれた数学者たちの様々な感情が入り乱れた物語を見る事ができます。紀元前の数学は、宗教的な取り扱いをされることもあり、その結果、死人が出るような事もあった事には驚かされました。

 

まとめ

 この本を読んだ学級の数学の成績が上がったという話があるほど、この本には数学に対して興味を抱かせるような工夫が施されています。私自身まだ、半分も読んでいない状況ですが、フェルマーの最終定理が証明される時にはきっと感動がこみ上げてくると思うので、その時を楽しみに今後も読み進めたいと思います。