拳で抵抗する21歳

世間に、拳で抵抗したい。そんな21歳の夏。書評や投資、思いついた事を綴ります。

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何様(朝井リョウ)の感想

どうも。最近、就活が嫌で、忘れたいという気持ちで読書をしているのはいいものの、結局、就活関連の本を読んでしまう私です。

前作「何者」は以前に小説で読んだことがあり、最近アマゾンプライムで映画を見たことがきっかけで、続編の本作を読みました。

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何様(朝井リョウ)の感想

読んでから気づいたのですが、1作目の「何者」は就活を通して何者かになろうとしている就活生について描いた作品で、今作の「何様」は、採用活動を通して、何様のつもりで学生を評価している面接官の立場で書かれた作品でした。

私は現在就職活動中という事もあり、おこがましいですが、面接官に対して「こいつらは何様のつもりで面接をやっているんだ!」と思ったこともありました。本作では、志望動機に対して深い裏付けを求める事に対する罪悪感と、それらを判断する資格が自分にはあるのかという葛藤が描かれており、当たり前ですが、面接官も人間なんだなと感じました。

 

 

何様(新潮文庫)

何様(新潮文庫)

 

 

 

感想

特に、印象に残ったのは、「逆算」と「何様」でした。前者では、もの事の始まりにきっかけを求めることは無意味だとありました。私も最近、いつかやってみたいという夢ができましたが、実際にそれらを始めるためのきっかけを探してばかりいたような気がしたので、この部分にはハッとさせられました。自己分析のやり方にも通ずることだと思いますが、人間の1つ1つの行動に、深い意味なんてないと思います。しかし、後から考えると、あの時のあれが、原因だったのかもしれないと紐づけることはできるし、その程度でいいと思います。つまり、まずはやってみようの精神が大切だと、改めて感じました。

後者では、100%本心で思ったことでなくとも、1%でも本心で思ったことであればそれは、誠実と呼んでよいのではないかという投げかけがされていました。本書ではこれを「本気の1秒」と呼んでいました。就活では、これは本当に自分の本心なのかと自問自答する事があると思います。私は、業界選びや職種選びの際に、これを何度も考えました。しかし、「本気の1秒」のように、少しでも興味があれば、迷っている事にも挑戦する価値があるのではないかと思わされました。